Research(概観)

【基礎研究
DNA上の遺伝情報に基づき、生命活動の担い手であるタンパク質が合成される「遺伝情報発現」は生命活動の根幹であり、その仕組みを解き明かすことは生命科学の中心的なテーマの1つです (図1)。我々は、遺伝情報の発現に関わる様々な生体分子の立体構造をX線結晶構造解析により決定し、生化学的・分子生物学的解析等と併せて、遺伝情報発現のメカニズムを原子分解能レベルで解明することを目指しています。現在は、主に以下のテーマに取り組んでいます。
・リボソームストークタンパク質の構造・機能研究 (詳細)
・ペプチジルtRNA加水分解酵素の構造・機能解析 (詳細)


【応用研究】
結核や肺炎など、感染症の拡大は大きな社会問題の1つです。感染症の原因である細菌やウイルスの遺伝情報発現を抑制し、その増殖を制御することは感染症を制圧するための有効な手段です。我々は、人の遺伝情報発現に影響を与えることなく、感染性細菌の遺伝情報発現のみを効率よく抑制する新規薬剤の開発を目指しています。研究では、薬剤のターゲットとなるタンパク質の立体構造をX線結晶構造解析により原子分解能レベルで決定し、その構造情報を基にターゲットタンパク質の働きを効率よく阻害する薬剤を効率的に探索・デザインします (図2)。現在は、以下のテーマに取り組んでいます。
・新規抗結核薬の開発研究 (詳細)


図1 遺伝情報の発現                        図2 立体構造に基づいた薬剤の探索・デザイン
(Pearson Education Inc.より一部改変)